鍋あり谷あり

テーマを決めずに適当に書いています。

ハリーポッター話についてのお返事へのお返事

id:umeten:20060308:p1
へのお返事。
まずは、お返事いただきありがとうございます> umeten様
でもしつこくてすいません。

(ここで文体が変わり)

まず先日の記事に書き足らなかったような点を一つ。
先日( id:Nabetani:20060306:p1 )私は

物語の中で「謎の」と呼ばれるにふさわしい位置にいたから「謎の」という語が選ばれたに違いないと断言できる。

と書いた。
混血という語を避けたのはいわゆるポリティカルコレクトネスだったかもしれない(そうではないかもしれない)が、「謎」という語が選ばれたのは物語からの要請であってポリティカルコレクトネスとは無縁である。と言いたかったのである。
つまり:

そして、「混血」という概念に対して、この国ではそれを「謎」として、「異常性をはらむもの」だとまなざしてしかるべきだとする、そのような「政治的に正しい差別意識

というような差別意識とは無縁だと思う。
#これもレトリックですか?

それと。いただいた返事の中にも気になった点が一つ:

該当記事のコメントで指摘を受けたように、ハリーもまた「Half Blood」であることを一種のキャラクターアイデンティティにしていることは、読者も重々承知しているところから、このタイトルは王子とハリーの関係性について少なからず読者に予断を与えようという効果を狙ってつけられていたはずです。

私自身は一応原書で出ている分は全部読んでるんだが、ハリーが half blood であるとは思ってなかった。つまり、私は「重々承知」ではなかった。
wikipedia には 母親の両親が非魔法使いであることを理由に half blood であると書いてあるが、それが正しいのかどうかよくわからない。
シリウス・ロン・マルフォイなどは pure blood であることがキャラクターアイデンティティとして重要だが、ハリーの父が pure blood であったかどうか憶えてない。
母親の両親が非魔法使いであったことはほぼ間違いないが、純粋な非魔法使いだったかどうかもよくわからない。娘が魔法使いであることを両親が喜んだという記述があるので、魔法使いとそれほど遠くない位置にいる人だったに違いないとも思う。血のつながりについては全く不明だが。
そもそも、魔法使いと魔法使いの間に生まれている人を魔法使いと非魔法使いの half blood と呼びうるような気がしない。

一方。ハリーが混血であることは物語の中で繰り返し指摘されている(not pure blood というように否定語で書かれていたことが多いと思う)し、私もハリーは混血だと思っていた。
つまり、私が読んだ印象では、ハリーは混血だが half blood ではない。

従って。
「混血の」なら、ハリーと関係があるかもと思えたかもしれないが、「half blood」だったので私にはそう感じられなかった。
もしかしたらこの辺りが「混血の」を避けた理由かもしれないと思う(どちらかというと関係なさそうだとは思う)。

あと。

ということならなおさら、今回のタイトルというのは、やはりミスリードの効果も含めてつけられていたと思われます。

この文の意味がよくわからなかった。
ちっとも「聖なる」などと呼ばれるべき存在ではなかったことがなぜ「なおさら」「ミスリードの効果を含め」ることにつながるのか。そもそも「ミスリードの効果」を「含める」ということの意味も。いやむしろ「ミスリード」の「効果」とは何かとか。
ここは私の文を引用した直後なのでちょっと気になっている。

最後に。
タイトルについては原題から離れることを許容するという習慣があるので、誤訳呼ばわりはしない方がいいと思う。これが誤訳なら「赤毛のアン」も誤訳になってしまう。誤訳という言葉はローカル星人のためにとっておきたい。

いずれにせよ。
私は原題に比較的近い「混血の」の方いいと思っているし、タイトルを変えた理由がポリティカルコレクトネスなのかそうでないのかにはあまり興味がない。