のまねこ騒動のせいで、インスパイヤに変な意味が加わってしまった。
のはまあいいとしても。
意味が逆転しているのが興味深い。
もとの意味では
彼は、シェイクスピアの作品にインスパイアされ、あの映画を作ったといわれている
というように使う。能動態にすると:
シェイクスピアの作品が彼をインスパイアして、あの映画ができたといわれている
となる。つまり、AがBをインスパイアした場合、情報はAからBに流れている。
しかし、最近流通し始めた用法では
id:debedebe:20051105
のように、AがBをインスパイヤした場合、情報がBからAに流れている。
念のために書いておくと、AVEX の人が書いた文章は「アスキーアートにインスパイヤされて」となっているので、情報の流れる方向という観点からは、本来の用法と同じである。
インスパイアが盗作と関連づけられるような意味になること自体はそれほど困らないように思うが、情報の流れが逆になっているので、非常に意味をとりづらくなっている。
先の例では一方がシェイクスピアなので誤解が生じにくいが「この小説は彼の漫画にインスパイヤされたんです」「彼の漫画は、こないだの直木賞をインスパイアしたみたいです」とか言うと、何がどうなのかさっぱりわからない。
#こういう例が他にあるかどうかと考えてみたんだが、思い当たらなかった。