鍋あり谷あり

テーマを決めずに適当に書いています。

謎の女性との遭遇

先日。
仕事中、トイレに行こうと席を立った。時間は午前十時過ぎだっただろうか。通勤の疲れもとれ、本格的に仕事に集中しはじめる時間帯である。
私の仕事場は雑居ビルになっており、私の机は当然会社の占有スペースにあるが、トイレはエレベーターや階段と同じく共有スペースにある。ちなみにビルは三十階以上ある。そして私の職場はその中層にある。
席を立ち、いつも通り、占有スペースと共有スペースを隔てるドアをひらく。トイレまでの距離はほんの数メートル。今の職場に移ってからひと月になるだろうか。トイレまでの道は、すでに完全に日常の一部となっていた。
はずだった。

そこには、全く見覚えのない風貌の女性が一人。年の頃は四十過ぎ。五十にはなっていないと思われる。ビルの清掃スタッフや工事関係者とは明らかに異なる服装に身を包み、大きな台車の脇に堂々と立っていた。彼女は共有スペースに足を踏み入れた私に気づくと、素早くこちらに視線を向け、過剰なまでに明るい声でこう言った。

「ヤクルトいかがですか」

びっくりした。

ヤクルトおばさん*1から物を買うことそのものに興味があり、ヤクルト400を買った。よく憶えてないが、80円ぐらいだったと思う。

*1:正しくは「ヤクルトレディ」らしい