先日の
オタク知識とされるものを調べてみた - 鍋あり谷あり
の続き。
心理学・社会学
スタンフォード監獄実験
1971年に行われた実験。一般市民を看守役と囚人役に分けたら双方がその役にあった振る舞いをしたとされるもの。しかし実験手順に問題があり、科学的な厳密さに欠けるという指摘もある。
ミルグラム実験
普通の平凡な市民でも、一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するとされる実験。別室の人に電気ショックを与える(と、思い込ませる)やつ。指示をすると別室の人が苦しみの声を上げ、最大電圧で無反応となる。
ダニング・クルーガー効果
自己評価をするのは難しいよという話。
あんまりわかっていない人は、自分が見えている全体像のかなりの部分を理解していると思ってしまう、よくわかっている人は全体像がとても大きいことがわかっているので、自分が見えている全体像のごくわずかしか理解できないと評価する、など。
キュートアグレッション
可愛いものを見ると、可愛いという気持ちが暴走するためか、可愛いものに攻撃(ぎゅっと抱きしめる、噛む、など)してしまう行動・衝動。
ゲシュタルト崩壊
それまで容易に認識できていた文字が、文字を構成する部品の集まりに過ぎないように認識してしまい、なんだかわからなくなるやつ。視覚以外でもあるらしい。
ストックホルム症候群
人質立てこもり事件などで、被害者がなぜか犯人をかばったり好意的感情を抱いたりしてしまう現象。暴力的な家族による被害者などでも同様の現象が見られる。
ミュンヒハウゼン症候群
自分が病気であると嘘を付いてしまう、あるいは怪我や病気を誇張してしまう症状。場合によっては自傷行為も含む。
代理ミュンヒハウゼン症候群というものもあり、こちらは近親者(しばしば自分の子供)に加害(毒物の投与など)を行い、自らを看護・介護する人にすることで心地よいと感じてしまう。
認知的不協和
イソップ物語のキツネとすっぱい葡萄の話らしい。
あるいは、喫煙者が煙草の害を軽視するとか。
共感性羞恥
他人が恥ずかしがるべき状態にあるのを目にして、自分が恥ずかしいと感じてしまうこと。
報復性夜ふかし
日中娯楽に使える時間がなかった人が、睡眠時間を削って娯楽につぎ込むこと。
ヤマアラシのジレンマ
お互いの距離が近くなると相手を傷つけてしまうという現象。あるいはそうなってしまうと思いこんで近づけないこと。
ヤマアラシがトゲをもつことから生まれた言葉だが、実際のヤマアラシはトゲを寝かして身を寄せ合うことができる。
ストライサンド効果
何かを隠そう、あるいは広まらないようにしよう、とする努力が耳目を集める原因となってしまうこと。
ストライサンド氏が、自分の家の写真の公開を差し止めようとしたら多くの人の関心を集めてしまったことに由来するらしい。
クロノスタシス
錯覚の一種。眼球がサッカード運動(?)をした直後に、時間の経過が実際より長く感じられるというものらしい。
言語学
サピア・ウォーフ仮説
使用言語が異なると世界が異なって見え、使用言語は言語使用者の試行に影響を与える。という話かな。
タイポグリセミア
アルファベットを使う言語で、単語の長さ・両端の文字 を変えなければ多少綴りが違ってもあんまり気づかないという話。
ヴォイニッチ手稿
未解読の文字で書かれた古文書。1912年にイタリアで発見。挿絵が多い。
芸術
ゴディバ夫人
夫の圧政を諌めるために裸で白馬にまたがって抗議のアピールをしたという、史実ではない話に基づいた絵画。
メジェド
古代エジプトの文献に登場するなにかで、足が長くて口・手・毛 がないおばけのQ太郎みたいな見た目をしている。ぬいぐるみなども売られている。
芦雪の犬
江戸時代の絵師、長沢芦雪が描いた犬。白象黒牛図屏風 という作品で大きく書かれている牛の手前に座っている小さな犬。
デウス・エクス・マキナ
古代ギリシアの演劇に由来する、解決法が見当たらない状況になったら神様が現れて神の力で解決する、という手法。
歴史
カノッサの屈辱
神聖ローマ皇帝が、ローマ教皇に「おまえ破門」と言われた。それは困るので皇帝が教皇に許しを請い、受け入れられた。
皇帝が許しを請うなどという屈辱的なことをしなければならなかったという話。
あるいは同名のテレビ番組。
ダマスカス鋼
南インドで紀元前6世紀に作られていた、ウーツ鋼のこと。刃物などに用いられ、表面に独特の模様がある。
ダマスカスで刀剣の材料としてもちいられた。
オーパーツだと思われていたりする。
あるいはそれに似せて作られた現代の刃物。
死海文書
死海周辺の洞窟から見つかった約2千数百年前の古文書。1946年ごろ発見。「会議中に3回うとうとしたら10日間の罰則を科す」とか書いてあるらしい。
参考: https://newsmedia.otemon.ac.jp/2016/
蠱毒
古代中国で行われていた、虫を使った呪術。
ファラリスの雄牛
古代ギリシャで使われたらしい処刑装置。ファラリスはつくらせた人。牛の形の金属容器に人を入れ、下から炙って殺す。
テニスコートの誓い
議員がヴェルサイユ宮殿の球戯場に集まり、憲法制定まで解散しないことを誓い合った出来事と、それを描いた絵。
我々が想像するテニスではなく、ジュ・ド・ポームというテニスの前身となった球技のためのコート。
相互確証破壊
敵国による核攻撃に対して確実に反撃することを保証することで、核攻撃を抑制するという考え方と、そのための仕組み。
誰が発射したのか、誰に向けて発射したのかを正しく認識すること。反撃が正しく行われること、誤動作や誤認による反撃を行わないこと、などが必要。
哲学
テセウスの船
ある船の部品交換を繰り返した結果元の部品が一つもなくなった場合、その船は元の船と言えるのかどうか。
ソーカル事件
ソーカル (プロの物理学者) がでたらめな物理数学用語をちりばめたポストモダン風デタラメ無意味論文をポストモダン学術誌に送ったら、普通に掲載された。その後、デタラメ無意味論文であることを暴露し、その後『知の欺瞞』が出版された。
哲学的ゾンビ
心と体、という二元論の立場で、心を持っていない者のこと。だと思う。哲学的思考をすすめるために考えられた概念で、疾患や性格を表すためのものではない。
クオリア
心と体、という二元論の立場の、心の部分のことだと思う。人間の感覚や意識のうち、化学反応などで説明できない部分のことだと思う。
スワンプマン
全く異なる来歴の物質から、ある人間と全く、原子レベルまで同じものを構成した場合、そしてもとの人間が失われている場合、新しくできた元の人間のコピーは元の人間と同じだろうか、というような話だと思う。
世界五分前仮説
世界が五分前に生成されたと仮定しても矛盾はないよ、という話。
シミュレーション仮説
コンピュータ・シミュレーションの中だよ、という仮説。世界五分前仮説と同様、否定することはできない。
なぜ何もないのではなく、何かがあるのか
哲学(形而上学?)で問われる、根源的な問の一つ。