鍋あり谷あり

テーマを決めずに適当に書いています。

一般項って何だろう

たとえばフィボナッチ。

\text{ a. }F_n=\left\{F_{n-1}+F_{n-2} \text{  if  } n\geq 2\\1 \text{  if  } n=1\\0 \text{  if  }n=0\right.
\text{ b. }F_n=\left\|~[\array{0&1}][\array{1&1\\0&1}]^n[\array{1\\0}]\right\|
\text{ c. }F_n=\frac{\alpha^n-\beta^n}{\alpha-\beta} \text{     }\alpha, \beta=\frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}
\text{ d. }F_n=\frac{\sum_{0 \leq i \lt \frac{n}{2}}\(n \\ 2i+1 \)\cdot \large 5^{i}}{2^{n-1}}

一般項というと c を思い浮かべることが多いが、c は

  • 誤差なしでの計算が困難
  • 各項が整数であるという性質が見えにくい

という欠点がある。その点ですぐれているのは実は a。
しかし a は再帰的定義なので何となく一般項っぽくない。ならばと再帰的定義でないように変形したのが b。
で。c の欠点である、誤差なしの計算が困難という問題を解決すべく、n乗を2項定理で展開してまとめたのが d。平方根が消え去り、各項が有理数であることは一目でわかる。誤差なしの計算が容易という点でも c よりすぐれている。しかし、計算量は膨大で、こんな計算するぐらいなら定義から直接行った方がよほどいい。
ちなみに。d の各項が整数になるのは出自より自明なんだが、出自を知らずに証明するのは難しい。というか、私はいまのところ証明できていない。
それはさておき。
それぞれの形から別の形を導くことを考えると:
a↔b→c→d
となると思う。そう考えると、どの形にも行きやすく、再帰的ではない b が一般項にふさわしい気もしてくる。